【体験談!登校しぶりのわが子が笑顔で学校に行くようになった4つの秘訣】第2回:本格化した母子登校の試行錯誤〜親の言葉と子どもの変化〜

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実際の体験を元にした『我が家の登校しぶり克服記〜身体SOSと4年間の道のり〜』シリーズ第2回です。

前回の記事では、長女が小1の春に突然始まった登校しぶりと、その背景にあった身体からのSOS「休む」という選択の重要性についてお話ししましたね。
登校しぶり対応の4つの秘訣も第1回でお伝えしました。
[第1回はこちら]

今回は、そこから本格化していく母子登校の日々について、具体的な試行錯誤の経験をお伝えします。

出口の見えないトンネルのように感じられた時期に、私たちがどのように子どもの心に寄り添い、コミュニケーションを見直していったのか

特に、「登校しぶりはいつまで続くの?」「どんな声かけをすればいい?」と悩む親御さん、
そして「子どもの成長をどう見守るか」という疑問をお持ちの方に、私たちの経験が少しでもヒントになれば嬉しいです。

出口の見えない母子登校〜親の精神的疲弊と小さな変化の兆し

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長女の登校しぶりが本格化した小1の夏以降から冬にかけて、私と長女の心境がどのように変化していったのか、詳しく見ていきましょう。

小1の夏以降、本格化した母子登校の現実

第1回でもお話しした小1夏休み前の「脱走事件」以降、長女が登校するときには、私も付き添う母子登校が日常となりました。 

正直、また脱走される心配もあり、念の為付き添う日も少なくありませんでした。

長女の体調や気分に合わせて、朝から登校できる日もあれば、2〜3時間目から登校することもありました。
ストレスが大きい授業(プールなど)は休ませるなど、長女の気持ちを軽くして登校を促す工夫もしていました。

授業中も、長女が「もう大丈夫」と言ったら私が帰るという形で、常に本人のペースを優先していました。特に夏休み明けは、長女の不安が大きかったため、彼女中心の生活でしたね。

こう話すとあっさり聞こえるかもしれませんが、実際は毎朝のように「行く」「行かない」の探り合いがあったり、「このままで大丈夫かな」と焦ったりと、私たち親子にとって苦しい日々でした。

私が学校にいる際は、他の子どもたちや先生方への迷惑にならないよう気を使い、精神的にも肉体的にも疲弊しました。

「迷惑をかけているのではないか」「過保護だと思われているのではないか」などと余計な心配が増え、正直、母子登校をやめたいと何度も感じていました。

クラスの子どもたちや先生方が、いつも優しく接してくださったのが本当に救いでした。

長女のペースを優先すると決めていたものの、毎日の母子登校は精神的に非常に厳しく、私がイライラを表に出してしまうこともありました。 
先生にもその様子を見せてしまう場面があり、情けない気持ちと恥ずかしさでいっぱいでした。

「母子登校をずっと続けるのは難しい」と強く感じた時期です。

小1の冬:母子登校の回数が減り始めた理由とは?

そのような絶望的な日々が続く中、小1の冬頃から、母子登校の回数は少しずつ減り始めました。春のピーク時に比べると、冬休み前には母子登校する日は半分以下に減少していたのです。

もちろん、長期休み明けや発表会などの行事の前には一時的に不安定になることもありましたが、全体的な傾向としては、ゆっくりと、しかし確実に良い方向へと変化していきました。 

この段階での変化は、私たち親子の希望の光となり、
その後の対応に繋がっていきました。

我が家の場合、特定の大きなきっかけがあったというよりも、自然な変化だったと振り返っています。 欠席する日もありましたが(特に月曜日)、母子登校をした日でも、お昼頃にはお友達と自然と話し、授業に参加できるようになりました。

小1の冬休み前、長女が得意な書写の授業があった日のことです。1人で登下校し、帰宅後に先生に褒められたと嬉しそうに話してくれた日のことを、今でも鮮明に覚えています。
長女なりに時間をかけて学校生活に慣れてきたのだな。学校が安心できる場所と思えるようになったのだな、と感じました。

その後も波はありましたが、緩やかに小1から小2にかけて母子登校は減らすことができました。

この時期から親として意識して変えたことは、
「もちろん学校には行くべき。でもゆっくりでもいいんだよ」と長女に伝え、そして親である私自身にも言い聞かせたことでした。

【秘訣2の実践】子どもの「行きたくない」に寄り添う親の「声かけ」とコミュニケーション

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登校しぶりがある時期は、子どもとの関わり方に悩むことが多いですよね。ここでは、実際に私たちがどんな声かけをし、コミュニケーションで何を意識したのかをお話しします。

無理強いしない!「行きたくない」を否定しない聞き方と「声かけ」のコツ

これは秘訣2の「『休んでもいいんだよ』が効果的!思い切って休ませちゃおう。」の実践です。

 毎朝、行くか休むかを子どもの様子だけでこちらが判断するのは本当に難しいものです。 しかし、明らかに休みたがっている雰囲気の時って、わかるものですよね。

ハッキリ「休みたい」と言ってくれないのが困るのですが…

体調が優れない、あるいは何か不安や心配事がある場合に、そのような様子を見せることが多いです。

そのような休みモードな日は、私から「しんどそうだね、休んでもいいんだよ」と声をかけるようにしていました。休むことを認めた上で、子どもの話を聞く姿勢を大切にしたのです。 

「どうしたの?」「何があった?」という問いかけ方から、
「辛いんだね」「大丈夫だよ」という受容の言葉へ変化させることを意識しました

具体的な「声かけ」の例としては、

  • 朝の「行きたくない」、または行きたくない雰囲気に対して、
    「そっか、辛いね。今日は〇時間目から行こうか?」(少し心を軽くする声かけ)と伝えてみました。
  • それでも行きたがらない、体調が優れなさそうなら、
    「家でゆっくりしよう」(理由は深掘りしない)と伝えました。
    ※ちなみに欠席理由はいつも頭痛一択で、担任の先生に理解を得ていました。
  • 休むと決めた日には、
    「今日は何して過ごそうか?」(一緒に予定を立てる声かけ)と、
    ただダラダラ過ごすのではなく、一緒に予定を立てるようにしました。

つい、「なんで行かないの?」「何が嫌なの?」と問い詰めてしまいそうになるのですが、
それでうまくいったことは一度もありませんでした。

無理に聞き出そうとせず、『疲れたね』『辛いんだね』と寄り添う声かけをした方が、娘の心を開いてくれたと感じています。 子どもが話したがらない時の親の対応や、無理に聞き出さない「声かけ」の大切さも学びました。

子どもだって、本当は行けたらいいとわかっているのに、「行きたくない」のです。
体と心が不安と戦っているのだと、親が理解することが大事だと感じました。

長女も学校が嫌いなわけではなく、不安が大きすぎるだけでした。

そのような時に親から「なんで?」を連発されたらしんどいですよね。

言葉以外のコミュニケーションで子どもの心に触れる

小学校低学年の子どもたちは、自分の状況をうまく話せないこともありますよね。
うちの長女も、もともと説明が得意な方ではなく、敏感で繊細な心の状況を伝える術がなかったのだと思います。

そこで私は、言葉にしなくても、子どもの表情や行動からSOSを読み取る方法を模索していました。

やって良かったと感じるコミュニケーションと親子時間の過ごし方をご紹介します。

  • 子どもの表情や様子を注意して見守り、話も聞く
    • 前日の表情や、寝起きがいいか悪いかなど、毎日様子を注意深く見ていました。そうすると、「あ、今日何か嫌なことがあったのかな」と気づくことができます。我が家の場合は、大抵、夜寝る前に「こんなことが嫌だ」と話し始めることが多かったです。
  • 一緒に遊ぶ時間、スキンシップ、共通の好きなものを通じて、親子の絆を深める
    • なかなかできそうでできないことですが、子どもも放っておいて欲しい訳ではないのですよね。
    • 学校に行けない日でも、家で無理のない範囲での学習、好きなことなども大切にしました。

大好きなK-POP(STRAY KIDSやNEXZ)を一緒に見て笑顔に!当時やっていたProduce101のME:Iオーディションにも夢中で応援しました。
推し活の力ってすごいと改めて感じました(笑)!

  • 周りの友達との繋がりも大切に!思いがけないSwitchの導入
    • 当時、周りの友達の任天堂スイッチゲームの話題についていけないことに悩む娘の姿もありました。
    • そのような時、ゲーム導入に悩んでいたところにおばあちゃんが突然Switchを買ってきてくれたのです!
      思いがけない導入でしたが、親子で楽しめましたし、お友達関係の悩みも減り、結果として本当に良かったと感じています。親も柔軟にならないといけないな、と改めて感じました。

【秘訣3の実践】「自分のキャパ」を自覚した娘の大きな成長

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小2の秋:習い事の整理と「無理しない」選択の尊重

小2の秋に、長女は習い事を2つ同時にやめる決断をします。
小2の夏休み前に風邪をこじらせて入院したのをきっかけに、体力が落ち、習い事まで続けることが難しくなったのです。

その頃の習い事は、週1でピアノとバレエ、週3で英語。どれも幼稚園から好きで続けていたものでした。
また同時期に、お友達関係の悩みも(嬉しいことですが)少しずつ増え、気力も落ちていたようにも思います。
学校だけでなく習い事も、通うのが体力的にキツくなり、休みがちになっていました。

私から「習い事を少し減らすのもいいんじゃない?」と提案こそしましたが、長女が好きなことを無理に取り上げたくはなかったので、こちらからやめるようには促しませんでした。

しかし、長女が「学校とピアノに行けるようにしたい。」と言った時、我が子ながら感心しました。
この時、長女は自分で自分の限界を知り、『無理しない』という選択を勝ち取ったのです。 

自分がどういう状態で何が大事なのかが分かっていることに、成長を感じました。

私も、休んでしまった、キツいけれど行かなきゃという苦しさが習い事の思い出になるのは避けたいという考えがありました。

そこで、長女の希望通りすぐに2つの習い事を退会しました。
親としては、せっかく続けてきたものを辞めさせるのは惜しいですし、「〇年間はやりなさい」と継続を目標とさせているご家庭もあるかと思います。

ですが、子ども本人の声に耳を傾け、登校しぶりに繋がるSOSだと捉えることも、親ができるサポートだと改めて感じたのです。

自己理解が身体症状にもたらした良い変化

小2から小3の頃は、習い事をやめる決断のように、長女が他のことでも自分にとって無理のない判断ができるようになった気がします。

当時、幼稚園児で遊びたい盛りの次女が夕方に公園に行くと言っても、長女は家で休むことを選んだり、映画館など人混みや大きな音が鳴る場所への誘いは「私は苦手だから」と自分で断れるようになりました。

自分への理解が深まりキャパシティを自覚したことで、無理をしなくなったのです。 

私からみても、自分の「しんどさ」を客観的に認められるようになったな、
成長したなと感じました。

このことで、親としても心が楽になった部分がありました。
というのも、こちらだけがどんなに子どもの状態を把握し認め、声かけなど対応に気をつけていても、子ども自身が自分を分かっていないとスムーズな理解には繋がらないからです。

親や大人だけでなく、子どもが自分自身の心身状態を少しでも理解し始めると、
無理のない選択が自然とできるようになります。

「あ、私だけでなく長女も自分をわかってきているな」と感じたのは、希望を感じる変化でした。
無理をしなくなったことで、心身のバランスが取れてきたのだと思います。

まとめ:試行錯誤の母子登校から見えてきた、親子の絆と成長

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今回の記事では、本格化した母子登校の日々の中で、親子のコミュニケーションの重要性
そして子どもの自己理解と成長の過程をお伝えしました。

出口の見えないトンネルのように感じられた時期も、声かけを工夫し、子どものSOSに寄り添い、
そして子ども自身が「無理しない」という選択をできるようになった
ことで、少しずつですが状況が好転していきました。

次回(第3回)の記事では、さらに身体の不調の「原因」が明確になった小3での出来事、
そして最終的に「起立性調節障害」と「自家中毒(アセトン血性嘔吐症)」という診断に至った経緯をお話しします。
診断を受けてからの具体的な対応、そして小4で娘が「学校大好き!」と言えるようになるまでの道のりを詳しくお伝えしていきますね。

「大丈夫!試行錯誤の先に、きっと希望の光が見えてくるから」

【登校しぶり克服記シリーズはこちら!】
第1回:小1の春、突然の「行きたくない」〜子供の身体症状と親の心構え〜
[第1回記事はこちら]
第3回:小3で判明した病名と、親としてできること〜起立性調節障害と自家中毒〜
[第3回記事はこちら]

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